FOR USER
App Storeからダウンロード
FOR SHOP
出店する
出店する

THE WORLD ELEMENTS

Follow Us

Other

サインアップ

ストリートカルチャーと融合する新しい民藝ブランド「SEE SEE」

2016.8.30



職人が「ろくろ」で回転する木材に刃を当てる。花びらか吹雪のように木くずが舞い散り、みるみる内に美しい曲線ができあがる。


「ちょっとやってみますか?」

おそるおそる刃物を手にとり、チャレンジしてみると、美しかった曲線が今度は逆にみるみる内にガタガタになる。

そしてまた刃物が職人の手に戻ると、まるで手品のようにさっきまでのガタガタは、また滑らかな曲線へと変わるのだ。




今回訪れたのは静岡県清水市の山中にある挽物(ひきもの)という伝統工芸品の工房。挽物とは「ろくろ」をつかった木を回転させ、刃物で削ることで作る製品。

江戸時代末期に箱根から技術が伝わってから、欧米に胡椒挽きを輸出するようになり需要が拡大。それにより機械化が進み、手で挽物をつくる職人はどんどんと減少。今では静岡県内では10人にも満たないほどだという。

そして「SEE SEE」のプロダクトはすべて、この工房で職人によるフルハンドメイドでつくられている。



「SEE SEE」の正体


「SEE SEE」はアメリカ西海岸のライフスタイルをテーマに湯本弘通さんが手掛けるホームウェアブランド。スケートボードの形をしたフラワーベースやスプレー缶の形をしたお香立てなど、ストリートカルチャーを想起させるキャッチーなモチーフを、職人の手仕事で高いレベルでプロダクトに落としこむ。


だからまず「SEE SEE」のプロダクトを最初に見た人は、見慣れたはずのモチーフがすべて木材でできていることに魔法のような驚きを感じるし、そしてその作られた背景を聞き、確かな職人の技術に納得する。


大量生産でつくられた古き良きアメリカのライフスタイルと、江戸時代末期から伝承されてきた伝統工芸。まったく異なる2つのエッセンスを湯本さんが絶妙なバランスで調合したもの。それが「SEE SEE」の正体だ。







なぜ「SEE SEE」は生まれたのか?


元々静岡でセレクトショップを営んでいた湯本さんが「SEE SEE」を始めたのは、サンフランシスコへ行ったときの経験がきっかけ。


「バイヤーとしてサンフランシスコに行く機会が増えていて、どんどんアメリカが好きになっていた時期でした。そこで廃材を利用して、動物の剥製を模したオブジェを見かけたんです。木の枝をつかった簡単なオブジェだったんですけど、それを日本の桜の木で表現できないかと思って。帰国後に友人の挽物師に相談をしたら、『面白い!!』ということになったんです」


前述の挽物師とは自らが経営していたバーで意気投合した仲で、もう10年以上の付き合い。そして、今まさに訪れている工房の主でもある。プロダクト1本に絞ることを決めた湯本さんは、自らが経営していたセレクトショップとバーを売り払い、始めてのプロダクトリリースに着手する。


「どこから手をつけていいか。どこに行けば商品を見てもらえるのか。右も左もわからないまま、すべてがゼロからのスタートでした。でも最初のプロダクトの2輪挿しを、フリークスストアの店舗ディスプレイで使わせて欲しいという話をいただいて、その後にはビームスプラネッツで取り扱ってもらうようになって。本当に人に恵まれてここまで来ました」




不可能を可能にするふたりの関係


湯本さんは人に恵まれたと言っているけど、もちろんそれだけで大手のセレクトショップが取り扱うなんてことはない。


元々セレクトショップを経営していた湯本さんのデザインは、ひと目で見た人を惹きつけるワクワク感があるし、トレンドもおさえている。そして実際に手で触れてみるとわかる伝統工芸に裏打ちされたクオリティ。実はこれには職人さんからこっそり聞いたちょっとした裏話がある。


風来坊のような雰囲気で、ゆるそうにも見える湯本さん。でもプロダクトにはすごく厳しくて、一定のクオリティまでいかないと絶対に首を縦にふらないのだとか。湯本さんの依頼には、挽物の常識ではできないと思っていたことも多いと言う。


それでもやっていて楽しいのは、湯本さんのアイデアが面白いから。そして一緒に考えて、盛り上げていこうというスタンスだから。そんな2人の信頼関係が「SEE SEE」のクオリティを支えている。


それもそうだ。スケートボード型のフラワーベースを木材から削り出そうなんて、要求する方も応える方も普通じゃない。


今日は取材中に湯本さんがバースデーケーキを挽物でつくろうって話をしていた。さすがにそれには職人さんも少し苦い顔していたけど(笑)。



伝統工芸の土台にアートとカルチャーを


2輪挿しから始まった「SEE SEE」は、月に1〜2個のハイペースでプロトタイプをつくり、続々とラインナップを増やしている。また、最近では世界で最も有名なスケーター、マーク・ゴンザレスや、日本の気鋭のアーティスト、face、小田原愛美、dugudagiiなど、さまざまなアーティストとのコラボレーションの動きも加速させている。




伝統工芸や民藝というと「残す」「守る」という発想に行きつきがち。だけど「SEE SEE」は伝統を守るために始めたわけじゃない。単純な話、その技術が必要だから湯本さんと挽物はタッグを組んだ。そんなイーブンな関係が新しい価値を生み出し、結果的に伝統工芸の可能性を広げていくことに繋がっていくのかもしれない。



SEE SEE


公式サイト: http://seesee-sfc.com/

コメント 0
THE WORLD ELEMENTS この機能を利用するためには、App Storeでアプリをダウンロードする必要があります。 App Storeからダウンロード
閉じる
OTHER STORY
Loading...
ITEM RANKING
Loading...
SHOWCASE RANKING
Loading...