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アートで暮らす、ジャンボアフロの発明王 | スケボーの廃材でプロダクトを生み出す『core(コア)』

2016.7.27


スケートボードのデッキ(ボードの部分)は早い人で数週間、遅くても数ヶ月で傷み、交換しなくてはならない。粗大ゴミで捨てなくてはならない自治体が多いために、コアなスケーターの部屋には使い古したデッキが山積みになっていることが珍しくない。



もともと現代美術アーティストだった石渡誠さんが手掛けるプロジェクト『core』では、使われなくなったスケートボードのデッキを再利用し、スツールや名刺ケース、キーホルダー、けん玉、コーヒーミルなどのさまざまなプロダクトを生み出す。さまざまなデッキを重ねることでできあがるカラフルな紋様はスケートボードの廃材からできているとは思えないほど美しい。





いざ、逗子にある『core』の工房へ



逗子生まれ逗子育ちの石渡さんの工房は、もともとは生家だった場所。生産性を向上させるために、さまざまな機械を導入したところ手狭になってきたため、庭だった場所を新たに作業場にするべく増築をしている最中である。


工房には、電気ノコギリのような図工の時間でお馴染みの機械から、見たことのないような大型の機械まで、アーティストのアトリエというよりちょっとした工場のようでもある。





『core』のプロダクトには2タイプある。ひとつはデッキのノーズとテール(前後の曲がっている部分)を切り落とし、残ったデッキをいく層にも重ねてオリジナルの合板のブロックのようなものをつくり、そこからプロダクトを削り出していくタイプ。

スケートのデッキはもともと複数枚のベニヤをプレスすることでできており、断面には断層のようなカラフルな模様が存在する。それらをさらに独自の手法で重ねてプレスすることで、『core』のプロダクトに見られる美しい紋様ができあがるのだ。




そしてもうひとつが、最初に切り落としたノーズとテールを再び接着させることでつくり上げるスツール。もともとトリックをするためにつけられたカーブが、イスになるとお尻にばっちりフィットする。そしてこのスツールがあることで、スケートのデッキを余すことなく再利用することにつながるのである。



「スケボーからでないと、こういう曲線の紋様のブロックはできないんです。どうやったら、おもしろい紋様ができあがるか、ずっと考えていますね。

もともとデッキのストライプを見せることだけを考えていたので、切り落としたノーズとテールのことはまったく考えてなかったんです。そしたら(切り落としたノーズとテールが)ものすごい量になってしまって。

とりあえずノーズとテールをつなげてみて、イスに置いて座ってみたらイイ感じだった。リサイクル品からさらなるリサイクルみたいな」


「自分がアーティストだという感覚はない」




10歳からスケートボードを始め、中学校時代は逗子の運動公園に通う毎日。唯一美大受験でスケートをしていない時期があったが、これまでずっとスケートは続けていた。その美大受験を目指していた石渡さんは、結局大学に行かず、アーティスト活動を開始する。最初はスケートとは関係のない現代美術アートだった。

「『vacuum packing(バキューム・パッキング)』という作品名で、人間が真空になれる装置をつくったりしていました。金沢21世紀美術館のオープニング展に呼ばれたり、結構話題になっていたんですよ。でも大きい装置みたいなインスタレーションをつくってもなかなか売れない。イベントでは注目されるけど、お金にならないんですよ。もう少し買いやすいサイズの作品だったら売れてたなって思って。

この先どうしようかと考えていたときに、10歳からスケボーしていたので、なにか自分の活動に絡められたらと思って、『core(コア)』を始めました」


勝手な固定観念かもしれないけど、アーティストの創作理由の中にお金というキーワードが入っていることに少し驚きを感じた。

でも実際にアートにもマーケットはあるし、アートを生活の糧にするのであれば、そこは考えないではいられない。逆にお金の話もさらっとできてしまうことに、「アーティストとお金」という概念に執着していない、自由さを感じる。

「僕はアーティストとして紹介されることが多いけど、自分がそうだという感覚はなくて。僕からするとアーティストってもっとすごいんですよ。自分の作品をつくることにしか興味がなかったり。でも僕なんかは作品をつくることが生活の中で一番じゃない。

とはいえデザイナーみたいに、誰かにこういうものをつくってほしいって依頼されてつくるのも好きじゃないし、自分がつくりたいものをつくりたい。だから自分で自分にオーダしているみたいなつくりかたですね。こういうものをつくったら欲しがる人がいるだろうと考えて、次に実際にどうやったらつくれるかを検討する。そういう意味ではアートとデザインの間みたいなことなのかな」


「昔からアイデアマンではありましたね」





はじめて石渡さんのことを知ったのはアパレルの合同展示会。販路を拡大しなければと考えていた矢先に、知人から誘われ参加したのだという。

『core』のすごさは、これまでのアート業界の常識を飛び越えて、外の世界の住人にもアプローチできる柔軟性とフットワークの軽さだと思う。

それでいて、マーケティング的な発想だけでは生まれようのない強さを持った『core』のプロダクトは、展示会でも異彩を放っていた。


「起業家みたい? 起業家というよりは、昔からアイデアマンではありましたね。誰もやってない、すきま産業みたいなことはよく考えてますよ。有名になりたいとかは特にないです。僕はどちらかというとこのノリでずっと続けられれば。楽をしたいみたいなことは時々考えますけどね(笑)」

きっとこのシンプルな考え方が、枠にとらわれないクリエイションの源なのだろう。


『core』アートピース&プロダクト







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