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ある女性がパンをライトにしようと思い、10年続けている経緯と理由 | pampshade(パンプシェード)

2017.3.17

焼きたてのパンの香りがしてきそうなほどリアルな形状、そしてほっこりとあたたかみのある灯り。実はこれ、本物のパンを使って作られている。なぜ、パンをランプにしたのか? 製作開始から10周年を迎えたパンプシェードの生みの親・『森田製パン所』の森田優希子さんにその理由を尋ねると、思わぬ答えが待っていた。


「パン」に見つけた「版画」性


森田さんは神戸出身。アートに漠然とした憧れを持って、京都市立芸術大学の版画科に進学した。


「学生時代はコンプレックスのかたまりで。周りと比べてしまっていたところもあると思うのですが、自分の表現が見つからずに焦っていたというか……」。


木版画を専攻していた森田さん、木を彫ったりする作業自体は好きだったが、"なぜ自分がこれを描いているのか"を分からないでいた。


森田さんによる版画作品


そんな生活の中で彼女の懐と胃、そして心を満たしていたのがパンだった。


「パン屋さんでアルバイトをしていたんです。パンは美味しいし、可愛いし、幸せな気持ちになるものですよね」。


さらに現場で作り方を見ているうちに、その奥深さにも惹かれていく。


「パンって一度にたくさん作るじゃないですか。同じ素材を使って、同じように成形しても、焼くとそれぞれ違う形になる。あるとき、"あぁこれって版画だな"と気づいて」。


一般に版画とは、木や銅などを彫って版を作り、それを紙等に写しとる手法の絵画を指す。しかし学術的には版があれば同じものができる「複製性」、そして刷り上がりとは別に原版があるという「間接性」があるものを、「版画」と定義するのだとか。


パンに"版画性"を見出した森田さんは、素材としてパンを見つめ始める。


「売れ残ってしまったパンをもらって帰り、最初は薄くスライスして顕微鏡で見てみたり、乾燥させて観察したり。また"パン"という言葉の意味を改めてさぐってみたり…。知れば知るほどパンという素材の可能性を感じました」


それは自分の表現方法を見つけた瞬間でもあった。大学でもパン、アルバイト先でもパン、そして自宅でもパンに囲まれながら過ごす日々。そして遂に運命が訪れる。


「学校の机でパンをくり抜いていたときに陽が差し込んでいて、パンが光って見えたんです。そこで"中にライトを入れたらどうだろう"と」


そこから大好きなパンに向かって夢中で作業を続け、出来上がったのがパンプシェードの第1号作品となる。


初期パンプシェード


心に「パン」のイメージを灯す


第1号作品から10年。たくさんのトレイ&エラーを繰り返しながら、2017年、パンプシェードは新しく生まれ変わった。


新生パンプシエードはよりエコロジーな作品を目指して、照明部分をオリジナル規格にリニューアル




リニューアルに際して、初めてクラウドファンディングにも挑戦。「やるまでは"人様に支援してもらうなんておこがましいのでは"と不安で、実際に半年ぐらい足踏みしていましたが、ダメ元でチャレンジしてみたら、予想以上の方に支援していただいて……。暖かいメッセージもたくさん頂き、嬉しすぎて身体から愛が溢れました」。森田さんのパンに対する愛情が多くの人に伝わり、目標を上回る支援を達成、新作のお披露目会も大成功に終わったそう。




彼女の溢れるパンへの愛を感じているのは支援者だけではない。パンプシェードの元となるパンを作っている人々とも、極めて良好な関係を築いている。


「制作を始めた当初は"食べ物を粗末に扱っている"と言われるのではないかと、怯える気持ちもありました。でも最初に応援してくれたアルバイト先のパン屋さんをはじめ、きちんとコンセプトを話すと、皆さん賛同していただけます。もちろんパン屋さんはパンを食べてもらうために作っているんですけど、それを廃棄するのは忍びないという気持ちは共通していて。だから"手間暇かけたパンがランプになって、長く愛してもらえるのは嬉しい"と仰っていただけたときは、想いが伝わっているなと感じました」。


最後に「人とはちょっと違う考え方かも知れないんですけど」と、前置きしながら森田さんは続けた。


「パンを見ているとふと、"なんだこのやさしさは!"と思うときがあるんです。パンには食べ物としての魅力以外にも、あたたかさや優しさを想起させる力がある。そういうパンの新しい価値を、パンプシェードを通して伝えていきたいです」


"パン型のライト"ではなく、本物のパンだからこそ伝わる想い。(お腹が空いたときは食べてしまいたくなるけど)、パンプシェードのスイッチを入れれば、心にある優しい気持ちにもあかりが灯る。


http://pampshade.com/


画像提供:pampshade(パンプシェード)

文・橘川麻実


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