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日本人とフランス人、2人のパティシエールの出会いから生まれたパティスリー|Nanan(ナナン)

2017.6.3


記念日やクリスマスに限らず、 おいしいケーキやバターたっぷりのクロワッサンはフランス人の生活に欠かせないもの。毎年たくさんのパティスリーが生まれるパリでも珍し、日本人とフランス人の2人の女性が開いたお店があると耳にして、バスティーユのおしゃれなビストロやブティックが軒を連ねるケレル通りにある「Nanan(ナナン)」を訪れました。



ーこんにちは!


いらっしゃいませ。


—日本の方ですよね?


はい、作家由希子と申します。


—もう1人、フランスの方がおられると聞いたのですが……。


共同経営者のソフィー・ソヴァージュです。


—ボンジュール!お店がオープンしたのはいつですか?


2015年の12月なので、1年が過ぎました。


—お店の名前の「ナナン」って、どういう意味ですか?


昔の幼児語で、砂糖菓子など、とってもおいしい甘いものを指すんです。


—初めて聞いた言葉です。


今は使われていない言葉だから、フランス人のお客さまからもよく意味を聞かれるんですよ。


—語感がやさしくて、お2人のほんわかした雰囲気にぴったりですね。


お互いに、子どもの頃に食べたケーキやヴィエノワズリーを思い出すような気持ちでいつも作っているので、気に入っています。



—お2人ともパティシエールなのですか?


そうです。私(由希子さん)はパティスリーを、ソフィーはヴィエノワズリーを担当しています。


—このお店ならではのメニューといえば……?


旬のフルーツを使ったケーキやタルトです。だからラインナップは少しずつ変わっていきます。


—これは常に置いている、というケーキはありますか?


シフォンケーキかな。フランスではあまり知られていないケーキですが、私にとっては小さい頃の思い出の味です。






—こんがりと焼けたヴィエノワズリーも本当においしそう……。


クロワッサンやパン・オ・ショコラ、レーズンデニッシュ、アップルパイなど、みんなに愛される定番をソフィーが丁寧に作っています。


—近くに小学校もありますよね。


そうそう、学校帰りの子どもたちがおやつを買いに来てくれますよ。


—ラッキーな子どもたち!


フランスの北部リール出身のソフィーにとって、子どもの頃から愛着のあるブリオッシュも定番ですね。



—シフォンケーキ以外は、日本的なケーキは見当たらないですね。


日本人とフランス人の組合せを興味深いと思ってくれるお客さまも多いのですが、「ナナン」のベースはフランスのパティスリーです。


—そこは由希子さんのこだわりなんですね。最近は、日本の食材に詳しいパリジャンも増えてきていますが……。


そうそう、「柚子味のケーキはないの?」なんて聞かれることもあります。


—そうでしょうね〜。


でも、安易なミックスはしたくないなと。とはいえ、自分なりに、少しずつ取り入れていこうかなと思っているのは抹茶ですね。日本人だから、ではなく、自分が好きな味だから、というのが大きいです。



—由希子さんは、パティシエールを目指してフランスに来たのですか?


はい。まず製菓の技術をフェランディ校で学んだあと、ホテルの「プラザ・アテネ」や9区にあるパティスリー・ブランジュリーの「アルノー・デルモンテル」などでの研修を経て、「ジェラール・ミュロ」で5年半働きました。


—高級ホテルに有名店と、研修先もそうそうたる顔ぶれですね!そして老舗の「ジェラール・ミュロ」へ……


さらにそのあと、レストランの「ピエール・ガニエール」に移りました。


—それはなぜですか?


レストランのデザート作りを経験したかったからです。パティシエールとして、ホテル、街のパティスリー、レストランという異なる形態の職場で働けたのは貴重な経験でした。



—ソフィーさんのご経歴は?


私は中国に留学して住んでいたことがあり、中国語が話せるので、フランスに戻ってからも主に翻訳の仕事をしていました。


—それは意外ですね!


翻訳の仕事は自宅での孤独な作業が多いんですね。あるとき、生活を変えたいな、と思い立ちました。


—何歳くらいのときですか?


25歳のときです。自分が新たにやってみたいことを考えたとき、すぐに、パティシエという職業が頭に浮かびました。小さい頃から日曜のディナーのデザート作りを任されていたくらい、お菓子を作るのが大好きだったからです。


—パティシエといえば10代からその世界に入る人が多い中、チャレンジでしたね。


1年間製菓学校に通って、そのあとは「ユーゴ&ヴィクトール」や「ホテル・リッツ」などで経験を積んでいきました。


—そして由希子さんと出会ったのが……。


そう、「ピエール・ガニエール」の厨房です。


—かの有名な、ミシュラン3ツ星のお店ですよね?


そうです。2人とも、そこでデザートを担当していました。なにせ厨房に女性が私たち2人しかいなかったですし、お互いにそれぞれの仕事ぶりをリスペクトする気持ちが生まれて、仲良くなったんです。


—ピエール・ガニエールさんといえば、世界中から尊敬を集めるシェフ。お2人ともがその人のもとで経験を積まれたのはすごいですね!


シェフからは、質の良い食材を選ぶことの重要性、クリエイティブであること、「goût=味」にこだわることなど、大事なことをたくさん学びました。



—厨房に女性がお2人だけだったとのことですが、飲食業界はやはり男性社会なところも多いと思います。大変なことはありましたか?


パティシエの仕事は確かに早起きですし、力仕事も多いハードな職場です。でも好きな仕事だから、大変と思ったことは本当にないんです。


—由希子さんは日本人という立場で、苦労したことはありますか?


渡仏当初は言葉の問題もありましたが、幸い、言葉ができなくてもケーキを作ってみせることはできる。自分の実力をきちんと示せば、おのずと周りもリスペクトしてくれました。



—「ナナン」はどのように生まれたのでしょう?


「ピエール・ガニエール」のあと 、2人ともそれぞれ別の職場で働きつつ、友達としてつながっていました。そして少しずつ、独立したいという思いが芽生えてきました。


—独立してパリでお店を持つ、というのはすごく魅力的であると同時に、リスクを負うことでもありますよね。


そう、2人ともさまざまな経験を積んで自信はあったけれど、なかなか踏み出せなかったんですね。でも、一緒にやることを決めて、一歩を踏み出せました。


—同じ志を持つパティシエール同士、力を合わせることで、「ナナン」が誕生したんですね! お2人が生み出すパティスリーとヴィエノワズリー、これからも楽しみにしています!



小ぢんまりしつつも明るい店内には、ゆったりとした空気が流れていて、お2人の雰囲気そのもの。奥のアトリエでパティスリーが作られていく様子を見ることもできます。


日本人とフランス人、2人のパティシエールが、それぞれ育ってきた環境や食べてきたものの違いを理解し合いながら、良いところをうまく引き出して、この「ナナン」というお店が生まれたのだなと思いました。


取材中も、お客さんたちがひっきりなしにやって来る、舌の肥えたパリの地元っ子に愛されるお店です。



Nanan

38 rue Keller 75011 Paris

水-金 8:30-20:00、土-日 10:00-20:00 月・火休

www.facebook.com/patisserienanan/



著者プロフィール | Tricolor Paris

トリコロル・パリはフランスに暮らす荻野雅代と桜井道子、ふたりの日本人からなるユニット。パリ関連のガイドブックを執筆・撮影するかたわら、2010年にスタートしたサイトにて、パリのおすすめショップやレストラン、イベント・観光情報はもちろん、フランスのニュースやパリの天気を服装で 綴る「お天気カレンダー」など、独自の目線で「フランスの旬」を日々発信している。

http://www.tricolorparis.com


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