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​研究と訓練から生まれた独創的なプロダクト。挑戦し続けるフランスの若き陶芸家

2017.1.18


以前、コルビュジエの「メゾン・ラデューズ」に暮らす住人として、ザ・ワールド・エレメンツに素敵な自宅アパルトマンを紹介してくれた陶芸家エレーヌ・モルビュさん。今回は彼女のアトリエにお邪魔して、その独創的な作品についてお話をうかがってきました。

※エレーヌさんの自宅アパルトマン記事は こちら



フランス工芸家組合に認められた若き才能





まるで織物の目のように、規則正しく繰り返される模様。従来の陶芸作品にはなかった質感が新鮮な印象を与える「CODEX」はエレーヌさんの代表作。2016年には、フランス全国5400人あまりもの芸術家や職人、工芸家が所属する権威あるAAF(Atelires d'Art de France フランス工芸家組合)が選出する「若き工芸クリエイター賞」を受賞し、彼女の知名度は一気に上昇しました。

プロの陶芸家になって今年で9年目。エレーヌさんが今まで生み出してきた数々の作品の中でも、この「CODEX」シリーズは2年にわたる研究と訓練を重ねて完成したもの。手仕事と対極な、ある意味機械的ともいえる線とフォルムはどんな風に作られているのか、誰しもが興味をそそられてしまいます。




グラフィカルな凹凸は左官職人やタイル職人などが使うギザギザの刃が付いたクシ目コテを使用。ホームセンターで良さげなサイズや形を見つけると買ってきて、色々と試します。一列ずつ型を付けては移動する作業を慎重に繰り返すことで、美しいモチーフが現れます。1箇所でも失敗してしまったらその作品はダメになってしまうので、ものすごい集中力が必要になります。「最近はあまり時間をかけずにできるようになったけど、最初のうちは大変だった」と語るエレーヌさん。



こちらの網目のような模様はさらに高度な技術を要します。平らにした土の途中まで切り込みを入れ、ゆっくりと折り曲げて開いていくとまるで網目の布を重ねたようなモチーフが出来上がります。これもエレーヌさんが試行錯誤を重ねながら自己流で編み出した方法だそう。何度も失敗しながら、2年をかけてようやくここまでたどり着きました。 このシリーズに関してはまさに「土を織っているような感覚」だと言う彼女。表面がつるっとしていたり、ぽってりとした風合いや少し歪んだ形が味だと言われたりする今までの陶芸のイメージを覆す、新しいアプローチに挑戦しています。




陶芸と化学が好きな少女時代




エレーヌさんが初めて陶芸に触れたのは12歳の頃に参加したアート教室。陶芸のほかにデッサンや彫刻も体験しましたが、土をこねたり形を作ったりすることに特に強く惹かれ、その後数年間通いました。休みの日には、骨董品が好きなお父さんと蚤の市や骨董市めぐりをするのが習慣で、彼女の中に「時を経てきた物への魅力」が芽生えました。「芸術家の家系ではないけれど、とにかく絵が上手なお父さんの影響は大きかったかもしれない」とエレーヌさんは言います。




少女時代は化学にも強い興味があり、ひとつのことに没頭して研究を重ねたり、 実験をしたりするのも大好きだったそう。そのため、化学系の学校かボザール芸術学校に進学するか迷ったほど。最終的にはランスのボザールに通い、その後パリでオブジェクトデザインとセラミックを学び、卒業後すぐにプロの陶芸家として活動することになりました。


幾何学、建築、探究心がキーワード




「CODEX」と並んで人気のオブジェが、「Caïro」「Fisher」「Demi-lune」といった食器のシリーズ。プロになってすぐ、棚に飾っておくようないわゆる「芸術作品」ではなく、暮らしの中で毎日使えってもらえるような日用品を作りたいと思い生まれた作品です。ろくろをまわしたり、型に流したりして製作するデミタスやマグカップは、曲線と直線の組み合わせが絶妙なバランスで、エレーヌさん独自の世界観を生み出しています。コルビュジエのアパルトマンに暮らしていることからも分かるように建築も大好きで、陶芸作品でもそういったフォルムを表現できたらという願いが込められました。また、淡いニュアンスカラーも個性的で、常に色と線や形をどんな風に合わせていくか研究を重ねているそう。


このランプシェードは明かりをつけるとグラデーションになっているのが分かります。些細なポイントですが、これもエレーヌさんが色々と実験をしながら編み出した技術を駆使しています。土の厚みの違いによってグラデーションを作るべく、ランプシェードの型に逆方向から土を流して、自分のさじ加減で待ち時間を調整できる器具を手作りしました。「よく考えてみると、私の実験好きが生かされた作品ね。陶芸も化学反応で生まれる部分があるから」と笑うエレーヌさん。


去年はお友達のアクセサリーデザイナー、 ナタリー・マルシャンさんとコラボをしてリングやブレスレット、ピアスの個数限定アクセサリーも作りました。そのアクセサリーと同色の一輪挿しもセットで販売して、あっという間に売れてしまったそう。


これからも新しいことを探していきたい




今後の目標は?と聞くと「もっとクシ目コテを上手に使いこなして、今は花瓶だけのCODEXシリーズを、食器などの他のものに広げていきたい」と答えてくれました。アトリエでは子供や大人向けの陶芸教室も開催していて、年々希望者が増えていて、フランスでの陶芸に対する興味が強くなっているのを感じています。

エレーヌさんのサイトやFacebookで、彼女の作品の数々をぜひじっくり見てみてください。素敵なカップや花瓶を買いたい!という人は、パリなら装飾芸術美術館の併設ショップ「107 Rivoli」と、パリ工芸家組合がオープンした注目のスポット「 Empreintes Paris(アンプラント・パリ)」で購入できます。


Hélène Morbu(エレーヌ・モルビュ)
公式サイト: www.morbu.fr
Facebook: www.facebook.com/ateliermorbu

■著者プロフィール
Tricolor Parishttp://tricolorparis.com
トリコロル・パリはフランスに暮らす荻野雅代と桜井道子、ふたりの日本人からなるユニット。パリ関連のガイドブックを執筆・撮影するかたわら、2010年にスタートしたサイトにて、パリのおすすめショップやレストラン、イベント・観光情報はもちろん、フランスのニュースやパリの天気を服装で綴る「お天気カレンダー」など、独自の目線で「フランスの旬」を日々発信している。

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