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【ロンドンのお店】「死の恐怖」「吸血鬼のための日光」…!? 奇妙奇天烈なアイテムが並ぶモンスターたち御用達店の実態とは

2016.12.20




吸血鬼やオオカミ男、ビッグフットやゾンビたちがひいきにしているふる〜い店があると聞いて、活気あふれる東ロンドンのショーディッチにやってきました。そこで扱っているのは「四角い耳あか」「死の恐怖」「吸血鬼のための日光」などなど、奇妙奇天烈な品ばかり……。いったい全体どうしてロンドンのこんな場所に店が?恐る恐る……でも興味津々にお店を訪ねてみました。



—あの、こんにちは〜。


ハロー!


—お得意様がモンスターっていうお店はこちらですか?


そうよ。


—わぁ、まるで19世紀のお店みたい。


なにせ古い店だから。



—ドアに書いてある「1818年創業」ってほんとですか?


ふふふ。これはフィクションとしては本当だけど、実際はね、2010年の創業。あ、私はスタッフのサムよ。


—2010年! サム、このお店のコンセプトを教えてくれる?


このお店には、2つの役割があるの。1つは…


—モンスターに必要なグッズを売ること?


当たり! なんてね(笑)。 そういうコンセプトの商品を作って売っているのよ。おもしろいでしょ?


—かなりユニークですよね。


吸血鬼とかオオカミ男とかゾンビとか、昔からいるモンスターたちが御用達にしている店。


—例えばどんなものを売っているの? ここに「Tinned Fear(恐怖の缶詰)」っていう缶がいっぱい……。



恐怖の缶詰には5種類あるのよ。


—そんなに??


「原因不明の腹痛」「高まるパニック」「ビクビクする気持ち 」「死の恐怖」そして「漠然とした不安」。


—いろんな恐怖がありますね!


それぞれの缶に、その恐怖を説明するショートストーリーが付属しているの。


—ショートストーリー? 誰が書いているの?


それは、この店の2つ目の役割に関わってくるの。


—というと?


この店の売上げはすべて、子どもたちがお話に興味を持ったり、創作ライティングのスキルを上げたりするためのワークショップやクラスの運営に充てられるのよ。


—へぇ! つまり、チャリティ母体のショップなんですね。


チャリティは「Ministry of Stories(物語省)」という名前で運営されているわ。


—誰が子どもたちに教えるの?


作家や先生、アーティストや俳優がサポートしているのよ。



—作家? 例えば?


例えば、この恐怖の缶詰の中の「原因不明の腹痛」は、ニック・ホーンビーがお話を付けているのよ。


—ニック・ホーンビーって、あの『ハイ・フィディリティ』や『アバウト・ア・ボーイ』の原作者の?


そうなの! このお店とスクールは、元々彼のアイデアなの。彼は3名の創業者の一人。


―わぁ、そうなんですね。


サンフランシスコにある同じコンセプトのショップに着想を得たということよ。ニックは今、子どもたちのための新しいミュージカルの歌詞を書いているの。


—素晴らしいチャリティ活動ですね。どんな子どもたちが来るの?


地元に住む8歳から18歳までの子どもたち。彼らが自分の才能に気づけるよう、サポートするチャリティなの。


—とても有意義ですね。あなたも楽しんでいる?


もちろん。私もモンスター好きだから、とっても楽しいわ!


—それでこの缶詰の中身は……?


キャンディよ(笑)。


—なるほど〜! 人間でも食べられるもの、ですね。




ネーミングが絶妙なの。「昔ながらの脳ジャム」とか「内臓ジャム」とか、「ゾンビのためのミント」とか「バンシー(妖精)のボール」とか。


—食べてみたいような、みたくないような(笑)。


あ、これ見てみて。


—「Cubed Earwax(四角い耳あか)!?」



さっきの「恐怖の缶詰」しか食べていない人間の耳道腺からとれる耳あかなのよ。クオリティは保証付き。


—で、中身は?


ファッジよ!(笑)。


—(笑)。こちらの本は?



モンスターたちに必要な食べものの古典レシピが書いてあるの。彼らを自宅に招いてエンターテインするなら、この本は必須。


—「死亡証明書」っていうのもありますけど。


死んでいることを証明する必要がある人たちのためのものよ。私たちは証明書を発行するライセンスを持っているの。


—なるほど。子どもたちが好きそうなサイン・ボードもありますね!


Tシャツから布バッグまで、クリスマスのギフト・アイデアが満載よ。





—あれ?? 猫の声がしますね……。猫がどこかにいるの?


そう、姿の見えない猫がそこにいるの……。


—ええっ!!??



—びっくりするなぁ……。あ、奥の部屋でワークショップが行われていますね。


クラスは頻繁に行われているの。子どもたちはまず、この店に入ってくるでしょ? そしたらみんな、目を輝かせるのよ。


—分かります。


お店で商品を見てもらいながら、由来やストーリーを話してきかせるの。そうすると、クラスが始まる前にすごくインスパイアされるみたい。


—みんな身を乗り出して、話を聞くでしょうね。


そうなの。それで書くことに興味を持ってもらえればと思ってる。


—絶対にそうなりますね。楽しかったです。どうもありがとう!


こちらこそ。


—次回はモンスター好きな友人を連れてきます。


待ってるわ!



チャリティ母体の「Ministry of Stories」は、個別に子どもたちに創作ライティングを教えるだけでなく、学校の課外活動の場も提供しています。教室で子どもたちが作ったお話は、タイプしてプリントしちゃんと本の形にして持ち帰ってもらうそうです。まるでダイアゴン横町にあるスイーツ・ショップだなと思いながら、想像力をふくらませつつ、楽しくお話を聞きました。


Hoxton Street Monster Supplies

住所:159 Hoxton Street, London N1 6PJ

TEL:020 7729 4159

OPEN:火〜金 13:00 – 17:00 土 11:00 – 17:00

http://www.monstersupplies.org



■著者プロフィール

江國まゆ(えくに・まゆ)

ロンドンを拠点に活動するライター、編集者。出版社勤務を経て、1998年渡英。英系広告代理店にて翻訳ローカライズや日本語コピーライティングを担当し、2009年からフリーランス。趣味の食べ歩きブログが人気となり『歩いてまわる小さなロンドン』(大和書房)を出版。2014年にロンドン発の情報コミュニティeマガジン「あぶそる〜とロンドン」を創刊、編集長として「美食都市ロンドン」の普及にいそしむ。

ホームページ:http://www.ekumayu.com

あぶそる〜とロンドン:http://www.absolute-london.co.uk

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