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それでもセルロイドの眼鏡はなくならない|100年時代のニュースタンダード

2017.3.3

人が100年生きる時代。せっかく長い人生なのだから、ただ時間とモノを消費するだけではなく、あとで振り返ったときに「楽しい人生だったな」と思いたい。世の中には、ずっと昔から変わらないモノもあれば、ものすごい早さで進化していくモノもある。100年後に残るモノを作ろうとしている人もいる。じゃあ僕たちは、人生を豊かにするために、どのような「モノ付き合い」をしていくのがいいのだろう。今、「100年時代のニュースタンダード」を考えてみた。


100年付き合えるアイテムとは

雨田大輔(MEGANE ROCK)


インタビューの後半に雨田さんが話した言葉。

「(ものづくりの現場が)機械化していったら修理できる人っていなくなっちゃうんじゃないかなって。30年後にメガネを折ってしまったとして、でもそれを僕だったら直せる」

100年付き合えるアイテム。そのヒントを探しにThe World Elements編集部が訪れたのは福井県鯖江市。日本のメガネフレームの90%以上のシェアを誇るこの地に、デザインから磨きまで、すべてを小さな平屋の中で、ひとりでつくり上げているアイウェアブランドがある。


知人がデザインしたという看板


MEGANE ROCKの工房


「MEGANE ROCK」を雨田大輔さんが立ち上げたのは3年前。故郷・鹿児島のビームスで働いていた雨田さんは、ものづくりへの憧れから26歳のときに、鯖江に移住。7年間の修行期間を経て独立した。

一本一本想いを込めてつくられるそのメガネは希少性が高く、"ROCK"のイメージからはかけ離れた実直さで出来ている。それでいてデザインはユニークで、他にはないセンスを感じさせる。



希少なセルロイド製メガネの職人


メガネの製造ラインはプラスチックフレームとメタルフレームでまったく違う。メタルフレームは機械での大量生産ができるけど、プラスチックフレームは手作業でしかできない工程が多い。


プラスチックフレームにはセルロイド製とアセテート製の2つがあって、その中でも「MEGANE ROCK」がフレームの材料として採用しているセルロイドは、可燃性が高く、取扱いが難しい。


また、アジア以外では製造と販売が禁止されていることもあり、海外市場を視野に入れるような大規模メーカーはアセテート製にすることが多い。実に国内のプラスチックフレームの9割近くはアセテート製だという。


セルロイド製のメガネ職人は高齢化し、その数も少なくなってしまっている。


「セルロイドの取扱いは難しいけど、磨きあげたときの輝き、ツヤは本当に素晴らしいんです。硬質で、アセテート製のように芯を入れなくても造形できる。僕は世界最高のプラスチックだと思っています。市場が狭いとか、扱いにくいとかいう理由で、職人の技術がなくなってしまうのは嫌だから。自分が職人でいるかぎりはセルロイド製はなくさないって思いでやってます」


フレームを磨く工程。手作業でしか出来ない繊細な作業


丁番と呼ばれる金具を取り付けるための溝を彫る


フレームを美しく仕上げるために研磨剤とチップが入ったガラと呼ばれる機械に入れる


なぜ、ひとりでメガネをつくるのか

鯖江のメガネ製造は分業制であることが多い。市内にはひとつのパーツだけを作っている会社や磨きだけをする会社など、各工程の専業企業が密集し、高品質なメガネをつくりあげるシステムが街全体で出来ている。


なぜ雨田さんはデザインから仕上げまでをひとりでしているのか。ひとつの作業にずっと集中できる方が効率的なのは明らかなのに。


「デザインだけやって、他は外の業者さんにお願いしてっていうのは……できないですね。お客さんにそのメガネがどうやって出来ているのかをきちんと説明できないじゃないですか。あと、製造している工程を自分が全部知っていないと、なにかトラブルがあったときにどう改善していいかわからないでしょ?」


そして冒頭の言葉につながる。


「(ものづくりの現場が)機械化していったら修理できる人っていなくなっちゃうんじゃないかなって。30年後にメガネを折ってしまったとして、でもそれを僕だったら直せる。


『これからまた30年間可愛がってあげてくださいね』って渡してあげられるんです。そういうサービスを提供するのが僕の役目なんじゃないかと思うんですよ」


100年アイテムの正体


100年付き合えるアイテム。どんなに品質の高いプロダクトでも壊れてしまうことはある。それを直すことのできる人がいることと、その技術が継承されていることは、ひとつのアイテムと長く付き合っていけるための必須条件になる。


雨田さんも、ゆくゆくは同じ志で、同じつくり方のスタイルで、メガネづくりに取り組める仲間が欲しいのだとか。



先日、POPEYEの「仕事とは?」特集で「MEGANE ROCK」が紹介された後に、雨田さんのところにメガネ職人になりたいという若者が訪ねて来た。


「MEGANE ROCK」としてはまだ人を雇うタイミングではない。でも自分がメガネ職人を志したときのこと、働いていた会社のことなどを話した結果、その彼は鯖江の眼鏡関連企業に就職することになったそうだ。


もしそんな風に雨田さんの想いに共感する仲間が集まって、MEGANE ROCKが"ROCK BAND"になったとき。このセルロイド製メガネは100年アイテムになるのかもしれない。



MEGANE ROCK

メガネの街、鯖江で、デザインから生産まで代表の雨田氏が一本、一本丁寧につくりあげていく、気鋭のアイウェアブランド。

https://www.meganerock.com/

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