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テキスタイル工場とタッグを組み世界へ。日本発の新しいモードの解釈- TH_READ(スレッド)

2016.3.11



「夜のシャルル・ド・ゴール空港に降り立ち、宿泊先のオデオンのホテルまでタクシーで向かう。趣のある劇場やカフェが立ち並ぶ、その街並みに目を輝かせた、あの頃の感覚を今でも鮮明に覚えている」


新潟県佐渡ヶ島の造園屋で生まれ、物心がついた頃から絵を描くことが好きだったというメンズブランド「TH_READ」のデザイナー・計良さん。アイテム毎に日本のさまざまな生地屋とタッグを組んで、ジャパンメイドの最高級テキスタイルを世界に発信していく気鋭のブランドです。そんな彼のクリエイティブの原点はファッションの都、パリ。


日本人は自分のルーツをどう表現すればよいのか?


「ファッションのカルチャーなんてない島育ちで、中高時代は船に乗って、新潟市のセレクトショップに憧れのデザイナーの服を買いに行った。とにかくもっと知りたくて、見たくて。海外に出たかった」




エスモード・ジャポンに進学後、パリ校に留学した計良さんは学校に通いながら「ジャック・ヘンリー」「マーク・ルビアン」「シャロン・ウォコブ」など当時のトップデザイナーの下で研修し、卒業後はニコラ・アンドレア・タラリスの下で1年半働く中で、プレタポルテ、そしてヨーロッパのファッション業界についての知見を深めていきます。


「日本人のデッサン力は他の国の生徒と較べても高かった。でもデザインをするときにもっと大切なのはコンセプトづくり。そこで壁にぶち当たった。なぜそのコンセプトで服をつくりたいのか、奥底にある秘めた背景やヒストリー、将来のビジョン。すべての論理づけがないとそのコンセプトは認められない。


人種的にもさまざまなルーツを持つことが多いヨーロッパ人は、上手く自分のルーツをミックスさせて新しいコンセプトを作っていた。そういった多様なルーツを持たず、20年間日本の島で過ごして、そこから出たことがないという自分。ヨーロッパ人からしてみると特殊なのだけれど、それをどう表現すればいいかわからなかった」

日本のクリエイターの多くが、海外に活躍の舞台を移すと、改めて日本人として、自分にしかできない表現を求められるというのはよく聞く話。



日本人のやり方ではモード(時代)は作れない


帰国後に大手のアパレル企業にデザイナーとして就職した計良さんは、日本のファッション産業について、ある違和感を感じたそうです。


「僕がいた頃の2000年代のパリは景気も良かったから、次のシーズンのコンセプトを考えて、それに基づいてプロダクトを作り、人々に"衝撃"を与える。そしてその"衝撃"が反動となって売上につながるというサイクルができていた。そしてそんな中でアートのように新しい才能が出てくるのを楽しむ文化もあった。


日本のアパレルはすべての発想のベースに店舗と顧客があって、販売員のフィードバックに基づいて、洋服をアウトプットしている。マーケティングと顧客ベースに基づき、緻密に計算された上でものづくりが行う。1つひとつの洋服の完成度ではすでに日本人もヨーロッパ人に負けない水準に来ていると思うけど、それではモード(時代)は作れないし、面白くない」


パリで経験したプレタポルテを中心したデザイナー軸、そして日本で経験したマーケティング軸。計良さんが独立するにあたって選択したのは、そのいずれでもない、もう1つの選択。


「自分の名前をブランドの冠にして、『これが計良です』って表現で、パリ的な売り方をしようと思った時期もあったけど、日本の企業を経験して、そういうアウトプットは今後必要されないとも感じた。今後求められるのは、長期的な視点で、工業と商業を結びつけたしっかりとしたアウトプット。そう感じて約2年間かけて"TH_READ"のコンセプトを固めていった。いろんな国に行ったし、フランス語も英語も喋れるようになった。それでも俺は日本人。世界に1回出たことで、日本のストロングポイントが自分の中でクリアになったからこそ、それをぎゅっと詰めて、世界に発信していきたいと思った」


日本のテキスタイルを世界へ。「TH_READ」始動


こうして2015年に「TH_READ」がスタート。ヨーロッパのハイブランドに生地提供するなど、繊細な技術力を持ちながら、ファストファッションの台頭や国内ブランドの海外生産などが原因で、20年後には絶滅の危機に貧しているという日本のテキスタイル産業。そこに目を付けた計良さんは、日本の生地屋との共同開発で世界に通用するジャパンブランドをコンセプトとして掲げます。


デザイナー軸でもマーケティング軸でもない、日本の技術力に着目し、それをオールジャパンチームで盛り上げていく "ものづくり軸"。それこそが、モード(時代)をつくるための、留学時代から悩み続けた計良さんの答えでした。


1stプロジェクト:創業111年、山形県鈴吉織物「シアサッカージャケット」



第一弾プロジェクトとして、創業111年の歴史を持つ、鈴吉織物有限会社とのコラボレーションによるシアサッカージャケット。江戸中期から機織の産業を発展させてきた米沢織の特徴は、生地を作り上げるためのすべての工程を米沢で一貫生産できること。




5Aランクの高品質なシルクを丁寧に織り上げたシアサッカー生地は、肌触りがよく、また生地に凸凹があるため肌の接着面を最小限に抑えられた、清涼感のある着心地。

「素材の味を最大限に生かす」ためのデザイン。大きく見返しをとり、裏地にも贅沢にシアサッカー生地を使用しています。肩のパットもシアサッカー生地で包むほどのこだわりよう。通常は安価な生地で代用してしまうことの多い裏地にも妥協せず、それがゆえに最高級シルクの生地を文字通り肌で感じることができます。



2ndプロジェクト:静岡県テキスタイルベガ「フィンクスコットンシャツ」、愛知県兒玉毛織「スーパー120' ウールジャケット」



第二弾プロジェクトは静岡県浜松市の織工房・テキスタイルベガによるフィンクスコットンのシャツと、愛知県津島市の兒玉毛織によるスーパー120ウールのジャケット。




通常は機械で収穫する綿花を、1つひとつ手摘みで、若くて良い原料だけを選定した最高級のフィンクスコットン。それをシャトル機でゆっくりと高密度に織り上げることで実現するパリッとした生地感が特徴です。




兒玉毛織と共同開発したジャケットでは「スーパーブラック」をテーマに、スーパー120というニュージーランド産高級ウールにオフスケール加工を施し、1本1本の糸を最大限まで黒く染め上げています。また、特殊な溶剤に漬け込むことでハリを出し、大きく上品なシワ感を実現。





日本が生み出した新しいモードは世界に通用するのか?



ファストファッションの海外工場の劣悪な労働環境が批判にさらされる中、工場ブランドや、職人と消費者のマッチングプラットフォームなど、ファッション分野において、ものづくりの現場と消費者を近づける動きは近年加速しています。


しかし、「TH_READ」の最大の特徴は社会活動やサービスとしてではなく、純然たる"ファッションブランド"として、生地屋との共同開発をコンセプトに掲げている点。日本が生み出したこのモードの種がどのように海外のファッション業界で評価されるようになるのか。今後も「TH_READ」の動きから目が離せません。

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