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字も読めないくらい美しい本「BOOK on BOOK」| 賢人たちの愛用品 – 中村秀一

2017.5.29

『SNOW SHOVELING店主』 | 中村秀一

フリーランスデザイナーを経て、世田谷区・駒沢にブックストア『SNOW SHOVELING』をオープン。古今東西の書籍・雑貨を取り扱うほか、展示や読書会など、さまざまなイベントを主催。



僕は、「美しい本」が好きらしい


本が好きな人にもいろんなタイプがあって、読めれば何でもいい人もいれば、「文庫なんて邪道だ」といって単行本しか買わない人もいれば、とにかく初版ものを集める人もいれば、自分の好きな作家ならいかなるヴァージョンでも収集する人もいる。他にも例を挙げればキリがない。


そういう僕はと言えば、「美しい本」が好きらしい。美しさの定義もいろいろではあるが、僕のソレをここで説明するのは簡単ではない(勿論そんなに偉そうなものでもない)。安易に洋書なら何でもお洒落に見えるとか、そういうことでも勿論ない。簡単に言うなれば、自分のお気に入りの家でも部屋でもスペースでも、そこにその本を置いた時に、調和していれば言うことない。そう、佇まいが美しい本が好きなのだ。


パーフェクトに美しい本、字も読めないくらい


そういう意味でも、いろんな意味で、「BOOK on BOOK」はパーフェクトに美しい本だ。 治田将之と青木亮作の2人で活動しているクリエイティブユニットTENTによる同プロダクト。「息をのむほどに」、という表現があるが、この場合は真面目に冗談を言うと「字も読めないくらいに」美しい。


そもそもこのプロダクトを初めて目にした我々は、「これは本だろうか?」という疑問からはじめなくてはならない。慎ましく開き、両頁は自然と湾曲したフォルムを表現し、それが本であることを静かに主張している。ただ、そこに印字はなく、重なり合う頁もなく、紙ですらなく、透明のアクリル素材の「本のようなもの」なのだ。つまり読み物としての著作物ではなく、ぼくらが普段手に取ったり、眺めたりしている馴染みのある本の型をしたプロダクトなのだ。


さて、これをどう使うかは、きっと貴方(持ち主)次第。そういう使い手の想像力に依存する余白のあるプロダクトはなかなかない。


ページ・ストッパーとしても、ディスプレイでも



一般的な使い方としては、仕事でも食事中でも、読書以外に自分の手を使いたいとき、たとえばキーボードを打つとき、たとえばカフェでスパゲティを食べるとき、そんな時、本の頁が自然と持ち上がって読書を中断しなくてはならない経験は誰にでも身に覚えがあると思うが、そんなときこの「BOOK on BOOK」を自分の読んでいる頁の上に置くだけで、フィックスされ、手は自由になる。これまでに書見台や便利グッズ的に機能の高い読書アイテムは他にあったけれど、ここまで文字通り本に馴染み、所有愛みたいなものをくすぶるものは前例がない。



他の使用例としては例えば家のリヴィングの飾り棚に、自分の好きなペーパー・バック(例えばフィッツジェラルドのグレート・ギャッツビー)のお気に入りの頁を開いて、それをディスプレイとして楽しんでもいい。

あるいは何かの象徴として、彫刻のフォルムを楽しむように、本のカーブを愛でる鑑賞物として使えるかもしれない。

他にもガラスペンか何かで表面に直接描いてメッセージボードのように楽しめるかもしれないし、アクリルの特製を活かして、カスタマイズして照明装置を作ってみるのも面白いかもしれない。

そんな風に「どう使おうか」と楽しく悩ませてくれるアイテムである。


BOOK on BOOKを持って、街へ出てみよう


ここまで書いておいてこんな言い方は元も子もないが、これは「本好き」を完全にメロメロにさせるアイテムであるが、逆を言うと、本に全く興味のない人には当然その効果は期待できない。

寺山修司は『書を捨てて、街へ出よう』と彼の本のタイトルで言っていたが、例えば「BOOK on BOOKを持って、街へ出てみよう」と僕は言いたい。

お気に入りのカフェのテーブルについて、コーヒーを頼み、トートバッグから本を取り出して開き、ソレをおもむろにONして読書に貴方はふける。その前を通りがかった本好きの誰かが、「それ何ですか?」と問う。貴方は僕がこの文章で述べたように、自身の言葉でこの本について説明してみよう。それをきっかけに、そうしていつのまに、「本好き」という共通の趣味を持つ未来の友人や恋人と出会えるかもしれない。


「そんな簡単に、声かかるわけないじゃん」と貴方は言うかもしれない。勿論、その通りかもしれない。ただ気分はいいと思うよ。そうやって読書をしているのは。それだけで充分じゃないか。




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