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​テレビ最盛期の申し子? TVを観ながらソファで食事できるトレイ|[イギリスの定番品]

2016.12.29



ごくふつーのイギリス人家庭にお邪魔すると、居間のソファ近くでときたま見かけるのが、お膝にのせて食事するために生まれた「Lap Tray ラップトレイ」。クッション付きの簡易トレイだ。


庶民の気持ちが具現化





このラップトレイ、言ってみれば西洋文化の申し子みたいなもの。「居間のソファに座ったまま、お茶を飲んだりご飯を食べたりしたい」というイギリス人の率直すぎる思いを形にしたイギリス生まれのプロダクトなのである。

今回、ラップトレイの歴史を調べてみたが、「いつ・どこで・だれが発明」といった正史をネット上で見つけることはできなかった。しかしラップトレイが広く使われるようになった背景に、1950〜60年代のテレビの普及があることは間違いない。

曰く、「居間のソファで食事をしながら、テレビでエンターテインされたい!」

テレビによるエンターテインメントの黄金時代、アメリカでは仕切りのあるアルミトレイに肉料理や付け合わせのビーンズやコーンをのせたお弁当スタイルの冷凍食品が生まれた。これは「TVディナー」と名付けられ、お一人様用の足付きデスクトレイにのせてソファで食事いただくスタイルの火付け役になったようだ。

イギリスではダイニング・テーブルのない労働者階級の家庭も当時は珍しくなく、居間のソファに座ったまま一皿盛りにした食事をとるのにクッション付きトレイほど便利なものはなかった、という理由もある。


ボタニカル柄、アニマル柄…具象画がぜったい基本!



そしてなぜか、伝統的にはラップトレイのトレイ部分の柄は、ちょっぴり垢抜けない「具象的な絵柄」が多いのが特徴だ。


例えば大胆な70年代風のボタニカル柄であったり、動物柄だったり鳥柄だったり。トレイの縁を額縁に見立てると、それはまるで庶民にも分かりやすい一幅の絵画。いかにもおばあちゃんが好みそうな……。




イギリスでラップトレイと言えば「お年寄りのいる家庭にあるもの」というイメージが強いのも、このせいかもしれない。おばあちゃんが肘付き椅子に座って、お気に入りの柄のラップトレイで、テレビを見ながらご飯を食べて癒されている……そんなイメージなのだ。そしてそれは、家族からの贈りものであることも多い。


文化として定着、ラップトレイのない生活なんて



ダイニング・テーブルがたいていの家庭に行き渡り、ラップトレイを使う機会も減ったのかなと思いきや、21世紀の今もたゆまぬ需要はあるらしい。ネットで検索すると、最近では若い世代の家庭をターゲットにしているのか、スっとした表情のシンプルなデザインも数多く見かける。


しかしなぜか、昔ながらのもったりとした絵柄のラップトレイは、未だ強い支持を得ているようである。ラップトレイ=具象柄という図式は、もはや定番を通り越して伝統の域に達しているらしい。



今ではコンピュータ作業に使われたりと目的も進化している。仕事をするならシンプルな柄のほうが気が散らなくていいけれど、ご飯を食べるなら、もしかすると好みの具象柄が付いているほうが、明るい気持ちで食事ができるのかもしれない。

■著者プロフィール

江國まゆ(えくに・まゆ)

ロンドンを拠点に活動するライター、編集者。出版社勤務を経て、1998年渡英。英系広告代理店にて翻訳ローカライズや日本語コピーライティングを担当し、2009年からフリーランス。趣味の食べ歩きブログが人気となり『歩いてまわる小さなロンドン』(大和書房)を出版。2014年にロンドン発の情報コミュニティeマガジン「あぶそる〜とロンドン」を創刊、編集長として「美食都市ロンドン」の普及にいそしむ。

ホームページ:http://www.ekumayu.com

あぶそる〜とロンドン:http://www.absolute-london.co.uk


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